晴れた休日の朝、ガレージに佇む愛車。キーを回す前の高揚感とは裏腹に、ふと見つめたボンネットやトランクのクリア塗装がカサカサに剥がれ、色褪せている姿にため息をついたことはありませんか?
1991年の誕生以来、今なお熱狂的なファンを持つホンダ・ビート。後継機であるS660へとそのDNAが受け継がれた今でも、初代ミッドシップ・オープンスポーツとしての存在感は決して色褪せません。しかし、生産から30年以上という長い年月が経過し、紫外線や雨風がもたらす経年劣化は、どんなに大切に扱っていても確実にボディを蝕んでいきます。
今回は、現場で数多くの名車と向き合ってきた職人の目線から、ビートの美しさを根本から蘇らせる修復の現場をお伝えします。
塗装剥げの奥に潜む厄介なサビ。ごまかしの効かない「板金」の現場
ビートでよくご相談いただく、トランクパネル周辺やフロント周りの無惨な塗装剥げ。実はこれ、単に表面の塗膜が寿命を迎えただけでなく、内部の鉄板にまで深刻なダメージが及んでいるサインであることが少なくありません。
劣化した塗装をペーパーで一枚一枚削り落としていくと、パネルの折り返し部分やウェザーストリップの裏側から、赤茶色にポロポロと崩れる厄介なサビが顔を出します。この状態のまま上からパテを盛り、適当な色を吹いてフタをするのは簡単です。しかし、それでは数ヶ月から数年で再びサビが進行し、内側から塗装がボコボコと浮き上がってしまいます。
ダメージを受けた鉄板のサビをグラインダーで徹底的に削り落とし、状態によっては鉄板を切り継ぎ、見えない裏側の防錆処理までを完遂する。粉まみれになりながら鉄と向き合う板金の土台作り。これをごまかさないことこそが、新品同様の仕上がりを生む絶対条件なのです。
色褪せたボディに命を吹き込む、職人の調色と吹き付け
カーニバルイエローやフェスティバルレッドなど、ホンダらしい鮮やかな原色が似合うビート。しかし、30年の時を経たボディパネルは、太陽光の当たり方や保管環境によって、パネル一枚ごとに退色の具合が全く異なります。
メーカーが指定する当時のカラーコード通りに色を作って塗るだけでは、隣り合うパネルとの間に不自然な色の差が生まれてしまいます。現在の愛車の状態にピタリと色を合わせるには、職人の目と感覚だけが頼りです。数え切れないほどのテストピースに色を吹き付け、自然光の下で透かして微調整を繰り返す。そして、塗装ブースの温度と湿度を読み取りながら、スプレーガンから放たれるクリアの粒子をボディの起伏に合わせて均一に乗せていきます。
磨き上げられ、新車時のような深みのある艶を取り戻したボディと自然光の下で対面した瞬間、地道な下地処理の苦労が報われるような美しい仕上がりが生まれます。
大切なビートをこれからの10年も走らせるために
塗装の剥げや鉄板のサビは、放置して自然に直ることは絶対にありません。「そのうち直そう」と後回しにするほど、ボディのダメージは深刻化し、修復の難易度も上がってしまいます。
「自分のビートは、今のボロボロの状態からでも本当に綺麗になるのだろうか」 「まずは気になるトランクの塗装剥げだけでもプロに見てもらいたい」
もし今、愛車のボディに気になるSOSのサインが出ているなら、手遅れになる前にぜひ私たちにご相談ください。一台一台の劣化状態を直接しっかりと確認した上で、あなたの愛車にとって最適なリフレッシュプランをご提案させていただきます。
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