「せっかく板金塗装で傷を直したのに、数年経ったら塗装が浮いてきた…」 「見た目はピカピカなのに、なぜか施工店によって耐久性に差が出るのはなぜ?」
愛車の修理を検討されている方から、このようなお悩みをいただくことが少なくありません。
一見すると、塗料の種類や表面のツヤ出し磨きが仕上がりを大きく左右するように思われがちです。しかし、塗装のプロが口を揃えて「最も重要」と断言するのは、完成時には見えなくなってしまう「下地処理」の工程です。
今回は、板金塗装の寿命と美しさを決定づける「下地処理」の裏側と、プロが妥協しないこだわりについて詳しく解説します。
塗装の美しさと寿命は「下地処理」で8割決まる?
板金塗装における「下地処理」とは、塗料を塗る前の金属面や樹脂面を整える一連の準備工程のことです。
建物の建築に例えるなら、下地処理は「基礎工事」にあたります。どれほど豪華で美しい家を建てても、地盤や基礎が不安定であれば、少しの衝撃で壁にヒビが入ったり傾いたりしてしまうのと全く同じです。
自動車のボディも同様で、下地がしっかり整っていなければ、どんなに高級な塗料を塗っても本来の耐久性や美しさを発揮することはできません。
【鈑金職人の視点】 板金塗装の作業全体のうち、実に6〜7割以上の時間と労力がこの「目に見えない下地処理」に費やされています。色を塗る作業は、いわば“最後の仕上げ”に過ぎないのです。
妥協を許さない!プロが行う下地処理の主な工程
では、実際の下地処理ではどのような作業が行われているのでしょうか。代表的なステップをご紹介します。
Step1.洗浄・脱脂(油分と汚れの徹底除去)
ボディ表面に付着したワックス、油脂、道路の油分、ほこりなどを専用の溶剤で徹底的に取り除きます。目に見えない微細な油分が残っているだけで、塗料がはじかれたり、将来的な剥がれの原因になったりします。
Step2.パテ塗布&足付け・研磨(形状の復元と密着性の向上)
凹んだ金属面を復元した後、パテを盛って平滑に削り出します。さらに、塗料がしっかり喰いつくように、あえて表面に極小の目に見えない傷をつける「足付け」という作業を行います。
Step3.サフェーサー(下塗り防錆塗料)の塗布と研磨
パテと上塗り塗料の間に「サフェーサー」と呼ばれる中塗り塗料を塗布します。サフェーサーには以下の重要な役割があります。
- 金属の防錆(サビ防止)効果
- 上塗り塗料の吸い込み防止(ツヤの均一化)
- 密着性を高めるバインダー効果
サフェーサーが乾燥した後、さらに細かな水研ぎ(サンドペーパーでの研磨)を行い、鏡面のような滑らかな下地を作り上げます。
下地処理を怠るとどうなる?施工後に発生する主なトラブル
もし下地処理の手間を省いたり、技術が未熟だったりした場合、施工直後はキレイに見えても、数か月〜数年後に以下のようなトラブルが発生しやすくなります。
- 塗装の剥離・フチ浮き:足付けや脱脂が不十分だと、洗車や日光の熱で塗装がペリペリと剥がれてしまう。
- サビの再発:下地段階での防錆処理が甘いと、塗膜の下から水分が入り込み、内部からサビが進行する。
- パテ痩せ・波打ち:パテの乾燥や研磨が不十分だと、時間が経つにつれて修正面が落ち込み、表面が波打って見える。
一度下地から痛んでしまった塗装を修正するには、古い塗膜をすべて削り落としてゼロからやり直す必要があり、結果的に余計な費用と時間がかかってしまいます。
愛車を長く美しく保つために・・・プロの施工を見極めるポイント
お客様からは見えない工程だからこそ、信頼できる施工店を選ぶことが大切です。愛車の板金塗装を依頼する際は、ぜひ以下のポイントをチェックしてみてください。
- 工程や作業内容について丁寧な説明があるか
- 目に見える仕上がりだけでなく、耐久性や保証についての案内があるか
- 設備(乾燥ブースや専用の研磨ツール等)が整っているか
技術と実績のある施工店であれば、下地処理へのこだわりや使用している塗料・材料について、自信を持って説明してくれるはずです。
目に見えない工程にこそ、本物の技術と情熱が宿る
板金塗装の完成写真は、仕上がったばかりの「表面」しか映し出しません。しかし、5年後・10年後も美しい状態を保てるかどうかは、職人がどれだけ真摯に下地処理に向き合ったかで決まります。
大切な愛車のキズ・凹み修理や全塗装をお考えの際は、ぜひ「目に見えない裏側の工程」にも目を向けてみてください。
愛車のキズ・ヘコミ・塗装のお悩みは狭山車体へ
狭山車体では、見えない下地処理から最終磨きまで、一切の妥協を許さないプロの技術で一台一台丁寧に仕上げております。お見積もりや施工のご相談は、お気軽にお問い合わせください。










